久々にハードカバーを買いました。

陰日向に咲く

陰日向に咲く

今更だけど、劇団ひとりの「陰日向に咲く*1」を読みました。とあるドッキリ番組で、怒り狂った大御所俳優に対してお笑い芸人3人(その中の1人と大御所俳優は仕掛け人)はどのような行動をとるのか…?っていう企画やってたんだけど、そのときの劇団ひとりってば、関わらないように隅のほうで目を閉じてじっとしてて、姑息なヤツー(だけど面白い)!っていう印象が強すぎてしょうがなくて。だから嫌いって言うわけではないけど、あたしにとって「なんとなくよくわからない人」っていう位置づけ(だからどうした)。ただコントも芝居もすんげー上手だな、って。芝居をしてるひとりは好きだったり(だからどうした)。だからちょっと期待して買ってみたわけです。
買ってから、最初の「道草」をダラダラ読んでて止まってたんだけど、昨日半身浴しながら一気に最後まで読みました。すごぉくサラリと読んだ。サラリすぎて物足りなかった感もある。個人的には長編作品が大好き人間なのでね。1400円だったんだけどなー(←ただのケチ)。まぁ気楽に読める1冊っていう感じ。物語の感想としては、どの章の主人公も馬鹿というか何というか。馬鹿すぎて愛らしいっていうこともなく、感情移入することもなく。客観的に読むことができました。コントに出てくるような主人公たち。やっぱり芸人さんだけあってどの話にも簡単なオチがあるし、ホロリとさせられる部分もあるし、何よりちょっとずつ各章がつながっていて「あーここで出てくるのね」とか、「あ、これがそうだったのかー」みたいな納得の部分は読んでて楽しかった。
以下、ネタバレありなので、ご注意を。
好きな話は「拝啓、僕のアイドル様」。ここは相手が気がつかなかったからよかったんだと思う。それを一途に思う彼はものすごーく不器用で、馬鹿で、でも憎めないし、こんなヤツがいるからアイドルって幸せだよなーって思った。
「ピンボケな私」の主人公は、それこそ馬鹿なヤツで。最後は納得(というか共感)できねー。それがひとりの世界なんだろうけど。もうちょっと救いのない終わり方でもよかったのかな、と。
「泣き砂を歩く犬」に出てくる雷太くんは、なんだかちょっと気持ち悪い。それこそひとりのコントに出てくるような人物。でも、この雷太くんが、どう考えても「アメリカ兵をぶん殴った」話をするおじいさんに結びつかない。キャラがどうにもこうにもつながらないんだよな。鳴子ちゃんはどうしても「成海璃子」ちゃんのイメージ。なるだけに。すげーつまんないオチですみません。

*1:どうでもいいけど、タイトルの字あまりにも…じゃない?